a p o t o s i s   ワ ー ル ド プ レ ビ ュ ー

apotosisは当サイトに掲載している全連載小説の完結編となる長編小説です。複数小説に伏線を張っている都合上、シオイリとカイジェンのストーリーが同時進行し、設定などの予備知識を必要とする部分が多少あります。このページでは"apotosis"のみを読みたいといった方の為にバックグラウンドの説明をさせて頂きます。こちらをご覧に頂ければ、他の連載小説をご覧にならなくても大体の設定は解ると思います。apotosis以前の小説のネタバレになるものもありますのでご注意下さい。


カイ&ジェンド ついに十六夜は姉と再会を果たし、二人の元から離れていってしまった。それをきっかけに、互いの距離をどう保って良いか解らなくなるカイとジェンド。二人は荒々しくぶつかりあって、酷く傷ついて、三年間離ればなれになった後に、如何に互いが必要としあっていたのかという事に気づく。絆を強固にした二人は、安住の地を求めてリルハルトの街へとやってきた。そこに幸せな刻が待っていると信じて。しかし、突如街へと舞い降りてきたアンシャンとドラゴンによって、二人のささやかな幸せは脆くも崩れ去るのであった……
異世界でひっそりと最後の刻を迎えようとしていたシオン。そんな彼の元に一人の男が現れる。昔と変わらない不器用な言葉で彼は囁いた。

「見たくない、イリアの涙。だから生きる」

ザードの幻覚かーーそう思いながら目を閉じるシオン。そこで全てが終わるはずだった。しかし次に目を覚ました時、彼は見知らぬ海岸に打ち上げられていた。どうしてそうなったかは解らない。だけれど、彼は確かに生きていた。
曖昧な意識の中でイリアとの再会を心に誓うシオン。刻は過ぎ、二人は示し合わせたわけでもなく、約束の地<アバスのイビス>へと向かっていった。そして、そこで何年ぶりにかの再会を果たす事となる。

ずっと逢いたかった

二人の間にそれ以上の言葉は必要なかった。そして二人の新しい旅が幕を開け、リルハルトにやってきた彼らを待っていたのは、忌まわしいイールズ・オーヴァであったのだ。
シオン&イリア
イェールス神殿
イエソド同様水晶が祀られている神殿の一つ。再会を果たしたシオンとイリアは各地の神殿を巡って、そこに眠る水晶の知識を手に入れる事を次の旅の目的としたのであった。しかし二人はイェールス神殿の最奥でトラップに引っかかってしまって、間一髪のところで命を落としかける。シオンは自らの命を捨ててイリアを助けようとするが、水晶の力によって、二人とも助かる事が出来たのであった。(『温もりの距離 』参照)
兄<ザード>の敵<ディアボロス>を討つ為にアバスのイビスまでやって来たシオン、ウリック、レムの三人。彼らはシオンの魔法によってディアボロスがいると言われている異世界へとやって来る。刻一刻と対決の時が近づく中で、ウリックは自分が女であり、男のふりをしていたのは自分が女であった為に兄を救う事が出来なかったという負い目があったからだと告白する。そこでシオンは微笑みながらこう言うのであった。イリアに戻って……そしてまた旅をしよう、と。(単行本『レヴァリ・アース』参照)
異世界
アドビス王立図書館
アドビス王の訃報と荒廃した王都の噂を耳にしたカイはジェンドに「アドビスに行きたい」と切り出す。ジェンドにとってアドビスは好意的な対象とはなり得なかったが、それを知った上で「行きたい」というカイに並々ならぬ決意を感じた彼女は二つ返事でアドビス行きに賛成したのであった。そしてカイが旧友に会いに行っている間、彼女は導かれるように王立図書館のダークエルフの書架へと向かっていった。そこに己の正体を求めるかのよに。("An angel in a birdcage"参照)
三年に一度、宵闇に包まれたリルハルト山の麓から天へと向かって無数の蒼白い光が昇っていく自然現象。大地に眠る精霊達が人間の罪を空に連れて行くのだと信じられている。「次の精霊節、一緒に見ような」そうはにかみながらジェンドに言うカイだったが……
三年の月日が経ち、二人の関係はすっかりと冷え切ったものとなっていた。もう離れる事はないという安心感が、二人に倦怠をもたらしてしまったのだ。カイは精霊節の約束などすっかりと忘れてしまっていて、その事を知ったジェンドは大きな衝撃を受ける。自分の愚かさに気づいたカイは、何とか自らの過ちを取り返そうと躍起になり、ジェンドに「リルハルト山で待っているから、許してくれるなら来て欲しい」と告げて、独りリルハルト山へと向かう。しかし、ジェンドは現れなかった。失意に沈んだカイはとぼとぼと家に帰るが、そこで彼が見たのは、孤独に耐えかね、独り肩を抱いていたジェンドだった……(『透明な貴方と踊るワルツ』参照)
精霊節伝説
ルハーツの陰謀 再会を果たしたシオンとイリアはアドビスへと向かっていた。そこで彼らが見たのはすっかり変わってしまった母国の姿。身体を壊したアドビス王の変わりにルハーツが王位について、両者と面会したシオンは愕然としてしまう。
改めて「自分の居場所はここにはない」と悟ったシオンはアドビスを去る決意をする。しかしシオンの存在が政権を混乱に貶めるのではないかと考えたルハーツは、シオンを捕まえるように使いを出すのであった。それを知ったミトは部下であるライザにシオンを助けてくれるよう懇願する。ライザ自身現政権に不満を抱いていた一人であり、シオンを国家変革に利用できるのではないかと考え、ミトの願いを聞き入れるのであった。何故なら、王位につけるのは王の血を引く者のみであったから。彼女の本意に気づいたシオンは嫌悪感をむき出しにするが、結局は彼女の手回しによって助かるという不本意な結末を迎えるのであった。

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